「推しのために可愛くなりたい」
オッス!オラ、読者!!なんだオメェ、夢女か?
タイトルを見て、こう思った方も多いと思う。しかし、必ずしもそうとは言えないということを分かって欲しい。
「推しのために可愛くなりたい」。こう思う全国のATMの胸中にはそれはそれは複雑な想いがある。
①推しの目に映る姿は最高の状態にしておきたい。通称『お目汚し失礼するでござる』派。
花だって受粉する為に蜂の目に留まり安いようになんか派手な花びらをつける。ディズニープリンセスだって舞踏会ではビビデバビデブーして、ドレスアップする。RPGの勇者だって、ボス戦いに初期装備の布の服では行かない。
推しの視界に私のような喪女を映す理由にはいかない。視界に入るなら、せめて……せめて最高の状態にしておきたい。そういう複雑なヲタク心である。
②推しのイメージを守るため。通称『イメージアップ戦略委員会』派。
「〇〇のファンって、なんかダサい人多いよね~」「〇〇ヲタ、なんか汗臭くない?」。そんなイメージを持たれたくない。そういう想いである。
残念ながら、〇〇のヲタクのイメージとそのジャンル、その芸能人のイメージは完全に≠ではない。「〇〇ヲタは過激派多いし、〇〇くんにあまりいいイメージない……」とか「〇〇に罪はないけど、あそこのヲタクはマナーが悪いし、私の推しと共演して欲しくない」そう思われたくない。
推しのイメージを損なわず、決して現場を荒らさず、「〇〇のヲタク、可愛い子多いし、マナーいいよね~」「でしょ~」とあわよくば推しが自慢できるような振る舞いと見た目を心がける。そういうヲタクに私はなりたい。
③せっかくの現場だから、おめかししたい。通称、『娘のピアノの発表会にきた母』派。これは、①に類似しているので分類が曖昧になってくる層だ。
推しが今までの稽古、練習の成果を見せる、そんな日。晴れ舞台に相応しい格好をしよう。そう思う、もはやどこの立ち位置なのか分からない目線のヲタク心なのである
※ちなみに夢女バージョンだと『彼ピと記念日のときの彼女』派にメタモルフォーゼする。
これは、私個人の話であるし、これに当てはまらない人、この他にも様々な意見がある人と思う。私1人だけでこんなに分類できるんだから、「推しのために可愛くなりたい」と言うヲタクに対して、安直に「そんなの意味ないでしょ」なんて否定を言わないで欲しい。
ワンピースでもいいし、パンツスタイルでもいい。axesを着ようがG.U.コーデでまとめようが、公式グッズで全身をかためようが、個人的推しモチーフコーデにしようが自由だし、その現場と常識とマナーに最低限合わせていれば他人に馬鹿にされる謂れはないと思う。
T(時と)
P(場所と場合とそれから)
O(推しの妨げにならない)を弁えつつ、
推しのために可愛くなりたい。
そう思いながら、今日もファッション雑誌と若手俳優雑誌の値段を見比べている(高ぇ……)